きめ細く、なめらかで、透明感があり、みずみずしい…、そんなお肌を手に入れたいと思う女心は、いくつになっても変わりません。
お肌がキレイな人は、見た目にも若々しく、イキイキと輝いて見えるものです。
日本人女性は美意識が高く、日頃のスキンケアには努力を惜しまない人が多いのですが、一つだけ忘れがちなことがあります。
それは肌の外側だけでなく、内側からもキレイな肌を作るということです。
この記事では、お肌をさらに美しくするために、美肌美人が行っているプラスαの美肌ケアの方法についてご紹介します。
「美肌の女」が好きな食べ物
人間の体は60兆個もの細胞で作られています。
肌の細胞もその一部です。
どの細胞もそうですが、肌の細胞にしても、私たちが毎日口にする食べ物や飲み物から作られているのです。
ですから、美肌美人が好んで食べている物を調べてみれば、どんな食べ物が美肌に良いか知ることができるはず。
そして、その食べ物に多く含まれる栄養素の働きを知り、多く摂るように心掛ければ、美肌美人に近づいていくといえるでしょう。
多くの美肌美人が好んで食べる物は、レバー、うなぎ、穴子、あん肝、うずらの卵、にんじん・かぼちゃなどの緑黄色野菜、フルーツなどがあげられます。
これらの食べ物に共通して多く含まれる栄養素が、実は、ビタミンAです。
一般的に、お肌のビタミンというと、ビタミンCを思い浮かべる人が多いのですが、本当の美肌美人はビタミンCを摂る事はもちろん、知ってか知らぬか、ビタミンAを多く含む食べ物を好んで食べる傾向があるのです。
どうしてビタミンAが美肌を生み出すのか、その仕組みについて、興味が沸いてきませんか?
美肌効果のあるビタミンAの働き
私たちの体の調子が毎日少しずつ違うように、お肌のコンディションも体のリズムや体調、気温や湿度などの影響により毎日変化しています。
皆さんも、その日のお肌の状態を確認するために、鏡を見たり手で触れたりして、毎日の肌のコンディションの変化を感じていると思います。
しかし、肌の一番外側だけを見て、一日一日の肌の調子に一喜一憂していては、本当の美肌美人とはいえません。
皆さんもご存知のように、肌のターンオーバー(肌の生まれ変わり)は、およそ28日間です。
肌の細胞の元になる基底細胞が毎日少しずつ成長して、およそ14日かけて肌の表面にあたる角質層に達します。
さらに14日間かけて角質細胞となり肌の表面を作っているわけです。
その後、角質細胞は役割を終えてはがれ落ちます。
肌の細胞はこのサイクルを繰り返しています。
肌にうるおいがあり、なめらかで、ハリ、ツヤ、弾力があるというような肌の調子は、あくまでも肌の一番外側にある角質層の状態だけを見て判断している人がほとんどのように見受けられます。
しかし、本当は肌の元になる基底細胞から肌は作られます。
言わば、基底細胞は肌の赤ちゃん細胞です。
この肌の赤ちゃん細胞をしっかり作ることが、本当の肌美人になるために根本的に必要なのです。
そして、肌の赤ちゃん細胞を作るために必要となるのがビタミンAです。
ビタミンAは細胞の形成に関わるビタミンで、細胞レベルから美しい肌を作るためには、欠かせない栄養素なのです。
ビタミンAを摂取するときの注意点
体内でビタミンAとして働く栄養素はおよそ50種類あります。
代表的なものには、動物性のレチノール、植物性のα-カロテン、βーカロテンなどがあげられます。
レチノールは動物の肝臓に貯蔵されるため、鶏や豚のレバーに多く含まれます。
カロテン類は野菜の色素にもなるので、緑黄色野菜で色の濃いものほど、カロテンが多く含まれています。
また、ビタミンAとなる栄養素は種類によって吸収率が異なります。
動物性のレチノールは体内への吸収率が高く、ビタミンAへの変換率も考慮すると吸収率は70~80%となり非常に効率よく吸収されます。
一方、植物性のβ-カロテンはレチノールに比べて吸収率が10分の1程度なので、ビタミンAを補うには、β-カロテンよりレチノールから摂ったほうが効率が良いといえます。
また、ビタミンAは脂溶性なので油に溶けやすく、油を使った料理などで調理法を工夫すれば吸収率も高くなります。
緑黄色野菜を食べる場合、生で食べるより、油と一緒に食べる事で吸収率が10倍も高くなることもあります。
サラダならドレッシングやマヨネーズをつけて食べたほうが良いでしょう。
ただし、注意する事は、ビタミンAは脂溶性ビタミンで、摂りすぎると体に蓄積し、頭痛や吐き気、疲労感などの症状が起こる事もあります。
動物性のレチノールは吸収率が高いのですが、過剰摂取には注意しなければいけません。
植物性のβ-カロテンとバランス良く摂る事が大切です。
食べて摂取するだけではない! 肌に塗るビタミンAの効果
レチノールは食べ物から摂るだけでなく、レチノールを配合したクリームやゲルなどを使って肌の外側からも補うことができます。
レチノールは皮膚の表面にある保湿成分、ヒアルロン酸を産生し、肌の水分量を増やす働きがあります。
ヒアルロン酸が不足すると、肌が乾燥し、うるおいがなくなるので、シワができやすくなります。
そこでレチノールを使い、肌の外側からビタミンAを補充する事でシワを防ぎ、うるおいやハリのある肌を作ることができるのです。
また、最近では、美容皮膚科などでレチノイン酸(トレチノイン)を使ったシミ治療が行われています。
トレチノイン酸もビタミンAの誘導体で、レチノールの50~100倍の生理活性作用があると考えられています。
日本では、まだ正式に認可されていないので、専門医に相談する事をお奨めします。
まとめ
「肌がキレイだね」、と言われるのは女性にとっては、何より嬉しいことですよね。
うるおいがあり、みずみずしいお肌は女性の美と健康のバロメーターともいえるでしょう。
そして、肌の細胞は1日にして成らず。
1カ月かけて少しずつ成長していきます。
根本から美肌を作るには、肌の内側からも外側からも、ビタミンAの働きを最大限に活かすことが大切です。