今やサプリのみでなく、キャンディーや飲み物などにも入っていて有名なビタミンCは、体のなかで多用な働きをして、健康にも美容にも大活躍の栄養素です。
免疫力を高める作用や、血圧、コレステロール値のバランスを整える作用、またメラニンの生成を抑制し、お肌の美白にも大きな効力を発揮します。
今回はその中でも、ビタミンCの抗酸化力、コラーゲンの生成力、ストレスへの対抗力といった3つのポイントに焦点をあて、ビタミンCをより良く理解していきましょう。
ビタミンCの抗酸化力
抗酸化についてしっかり理解するには、まずは活性酸素について知っておきましょう。
私たちは、無意識のうちに空気中から酸素を取り入れています。
その酸素のうち、2%ほどが「活性酸素」という酸素に変化します。
活性酸素は、酸化パワーがとても強く、体内に侵入してきた有害物質や細菌物質を除去する力が高いので、健康な体を維持するために必要です。
しかし、この活性酸素が過剰に増えすぎてしまった時に問題が起こります。
ストレス、紫外線、たばこ、大気汚染、電磁波、バランスの悪い食生活などの理由から活性酸素が多量に発生してしまうと、体内で酸化が起こり、体はサビてしまいます。
そして、活性酸素により細胞は損傷し、体はみるみる老化して行きます。
さらに動脈硬化、ガン、脳卒中、糖尿病などの病気を引き起こす要因にもなるのです。
抗酸化作用とは増えてしまった活性酸素を次々と分解する作用のことです。
ビタミンCは特にこの能力が高い栄養素です。
ビタミンCが持つ強力な抗酸化力で、日々進んでしまう老化を緩やかにすることができるというわけです。
ビタミンCのコラーゲンの生成力
ビタミンCは、お肌の美白効果の他にもう一つ、お肌のハリをアップさせるコラーゲン生成する作用にも密接な関係があります。
真皮層の線維芽細胞の代謝を活発化することで、コラーゲン生成やエラスチン、ヒアルロン酸を作り出すサポートをしています。
特にコラーゲンは細胞と細胞をつなげる役割をしており、肌の潤いやハリをキープするためには必要なものです。
コラーゲンが不足すると、お肌だけでなく骨や関節、髪の毛、内臓にも不調が現われます。
体の隅々まで大切な栄養素を運搬している血管は、休むことなく働いています。
日々磨り減っていく血管壁を復する作業にも、コラーゲンが関わっているため不足すると血管の修復が追いつかない状態になってしまいます。
そしてその結果、体に栄養が届きづらい状態になってしまうのです。
ビタミンCのコラーゲン生成力は美肌を作るためだけではなく、健康を維持するためにも体にとって不可欠な存在と言えるでしょう。
ビタミンCのストレス対抗力
私たちの体は、肉体的または精神的にストレスを感じた時、それに対抗しようとする力が働きます。
対抗する作用としては腎臓の上にある親指ほどの大きさの副腎という臓器から、アドレナリンなどの抗ストレスホルモンを分泌し、血圧や脈拍をアップさせるといった体を守る働きが起こります。
これが副腎ホルモンといって、とても貴重なホルモンなのです。
副腎ホルモンは、ある一定の決まった量しか貯蔵していないため、ストレスの多い生活が長期に渡って続くことで、副腎ホルモンは使い果たされ、体に異常事態が発生します。
その症状としては低体温、低血圧、慢性疲労、睡眠障害、自律神経失調、過食症や拒食症など様々な形で体に不調が現われてきます。
このような事態を避けるために、体に副腎ホルモンが枯れることなく、しっかりと生成される状態でいることがとても大切なのです。
その貴重な副腎ホルモンの合成に、ビタミンCは欠かせない重要な材料となります。
ストレスは、不安や緊張だけでなく、激しい運動や気温の大きな変化でも発生し体に負担を与えます。
例えば、登山などの激しく筋肉に負荷がかかる運動時にも、ビタミンCは大量に消費されます。
自分自身の体にかかっている負荷を考えながら、随時補給できる準備をしておくと良いでしょう。
ビタミンCの効果的な摂り方とは?
ビタミンCは、体内で作ることができない栄養素なので、食物やサプリメントからしっかりと補給しましょう。
主に野菜や果物に多く含まれますが、同じ野菜でも育った環境や時期によってビタミンCの量に差があります。
旬の時期の食品には、たくさんのビタミンCが含まれているので、その時々の季節の野菜や果物を優先して選びましょう。
ビタミンCは、水に溶ける性質なので、どんなにたくさん摂取しても数時間で体の外に排出されてしまいます。
そのため一度に多く摂るよりも、こまめに分けて摂取したほうが効率が良いといえます。
また、水や加熱に弱く、酸化しやすいという特徴もあります。
お湯で茹で過ぎてしまうと、貴重なビタミンCは流れ出てしまうという点には注意が必要です。
効率よくビタミンCを取れるポイントをまとめてみました。
・お湯で茹でるときは、さっと短時間にする
・しっかり火を通す料理のときはビタミンCが流れ出ますので、ビタミンCが溶け込んだスープ、茹で汁も一緒にいただくメニューにする
・電子レンジや蒸し器をつかう
・炒める、煮込むときは、野菜を大きめにカットする
・熱に強いビタミンCを持つ野菜(イモ類、カリフラワー、ゴーヤなど)を意識して摂る
このような方法を知っておくことで、ビタミンCの流出を最小限に抑え、効率良く吸収することができるでしょう。
ビタミンCが豊富な食物やとしては、アセロラ、パプリカ、柿、ニガウリなどにとても多く含まれています。
しかしビタミンCは、一時的に大量に摂取しても排出されてしまうため、レモン、いちご、キウイなど、取りやすい果物や野菜、またはサプリメントを利用して日常的に摂取するようにしましょう。
まとめ
ビタミンCは、美容効果だけでなく体と心も健全でいるために、様々な形で体内で活躍している栄養素であることがわかりました。
サプリメントだけではなく、お菓子や飲料にもビタミンCが含まれている商品がたくさんありますので、コンビニやドラッグストアなどでも手軽に手に入れることができますね。
ストレス社会の中で日々奮闘しながら、いつまでも健康的で若々しくいたい、と願う方には絶対に欠かせない栄養素です。
毎日の食事や、ちょっとした息抜きにもビタミンCを摂取する習慣を身につけていきましょう。