【鍼灸師が教える】漢方で改善。デトックス体質に!

2017. 11. 25
監修:足立美穂 鍼灸治療院 東洋の森 院長・鍼灸師
自身の体験から東洋医学の体全体を診る医学に感銘を受け、鍼灸の道に進む。体の不調のサインに気づき、病になる前に治す施術を心がけている。 不妊施術、疼痛治療、鍼灸全般(体質改善から更年期障害の改善等)の業務を専門に行う。

なんとなく疲れが取れない、風邪の症状とは違った不調を感じるとき、体がうまく機能していないのかもしれません。
食事、ストレスや大気汚染など、気付かぬうちに色々な有害物質が入り込んでいるにもかかわらず、代謝が悪くなってきちんと排泄できていないのかもしれません。
今回は老廃物を溜め込んで流れが滞ってしまった体を、どのようにデトックス体質に改善していくか鍼灸師の足立美穂先生に教えていただきました。

老廃物が体に溜まるとどうなる?

人間の体には細胞が生まれ変わっていく代謝機能が備わっています。
体に不要なもののほとんどは便として、残りは尿や汗として体の外に排泄されます。
本来排泄される老廃物は、主に食品に含まれる添加物、有害金属、乳酸や尿素などさまざまです。
しかし代謝機能がうまく働かず、老廃物がきちんと排泄されない状態になると、体には色々な異変が起きてしまいます。
東洋医学ではこのようにうまく老廃物が排泄出来ていない状態を「体の停滞」と呼びます。
足立先生によると、体の停滞が起こることで、便秘、月経痛、体のむくみ、めまいなどの症状が現れるそうです。
代謝が落ちて疲れやすくなったり、脂肪を溜め込みやすくなったりすることで、太りやすい体になる可能性も高まります。

デトックスできているかどうかの判別方法

先ほど挙げたような自覚症状が出ていない場合でも、老廃物が溜まっている状態はよくあります。
足立先生に、自分自身の体に老廃物が溜まっているかどうかチェックする方法を教えていただきました。
足立先生:「女性は月経の状態で、自分の体に老廃物が溜まっているかどうかチェックできます。」

とのこと。
月経、排卵期、体全体と3つの項目に分けてチェックしてみましょう。

1:月経期におけるポイント

・経血の色が綺麗な鮮血色でなく、茶褐色の血から始まる

・血の塊が出る

・月経痛がある

2:排卵期におけるポイント

・おりものが黄色く、匂いがきつい

※排卵期とは月経周期の真ん中頃で、卵胞が排卵される期間です。
おりもの状態が透明で、粘り気があるのは正常な状態です。

3:全体的なポイント

・PMS(月経前症候群)がある

・子宮筋腫がある

・卵巣嚢腫がある

どれも自覚症状としてはあっても、さほど気にせずにいた方も多いのではないでしょうか。
足立先生:「当てはまる数が多いほど体の停滞が起こっていて、老廃物が溜まりやすい環境にあると言えます。便秘、月経痛、体のむくみやめまいなどの症状は、体のサインを見落としてきた結果です。」

当てはまるポイントが多かった方は、体調不良を起こす前に体質改善が必要です。
東洋医学の観点からデトックス体質になれる方法を、足立先生に教えていただきましょう。

デトックスしやすい体質になるための、効果的な漢方とは?

東洋医学の場合、便秘、月経痛、むくみやめまいなどの改善には漢方を用いるそうです。
足立先生にそれぞれの症状にあった漢方を教えていただきました。

月経痛に関わる場合の漢方

当帰(とうき)を中心に血を補いながら、滞っている血(瘀血)の改善をしていきましょう。
婦宝当帰に活血作用(瘀血を取り除く作用)のある冠元顆粒を組み合わせて服用すると効果が高いでしょう。
服用目安は3~4ヶ月ほどを目処に、月経の色、血の塊の変化を見てください。
色が鮮血で、塊が少なくなってくれば老廃物をきちんと出せています。
1~2ヶ月は活血しているので、塊が余計に出やすいこともありますが、3ヶ月程度で落ち着いてくるでしょう。

めまいや体のむくみに関わる場合の漢方

原因としては、リンパの停滞が考えられます。
この場合、選ぶ漢方は体の体力の状態で変わってきます。
体力に自信がある方は、附子(ぶし)が入っている漢方で温めてリンパを流すのが良いでしょう。
虚弱体質の方や疲労が溜まっている方は、まずは黄耆(おうぎ)で体力を改善させて穏やかにリンパを流すのをおすすめします。
その方はまず補中益気湯(ほちゅうえっきとう)で体力を回復させてから、めまいや体のむくみの状態を確認してリンパの停滞具合をチェックしてください。
その次にもう少しリンパの流れを良くしたい場合は衛益(えいえき)顆粒を追加すると良いでしょう。

便秘に関わる場合の漢方

便秘はとりあえず出さないといけませんが、強い下剤ばかりに頼っていると、腸の力が弱まってしまいます。
便秘薬がないと出ないような方は、中焦(ちゅうしょう)の力を回復させる補中益気湯、お子さんでしたら小建中湯(しょうけんちゅうとう)を追加して腸の力を回復させながら、便秘薬の服用の回数を減らしても出る状態にしていきましょう。
体力がある方は桃核承気湯(とうかくじょうきとう)。
体力が少し落ちている、コロコロ便は麻子仁丸(ましにんがん)。
胃腸虚弱なら補中益気湯や胃腸を温める小建中湯。
軟便や便秘を繰り返す方は開気丸(かいきがん)。
ストレスで便秘になる方は温胆湯がお勧めです。

普段の生活でもできるデトックス体質への改善法

漢方は無理なく体質改善できるので、生活習慣に取り入れやすいのが魅力的ですね。
漢方以外でも生活の中でデトックスしやすい体になるための過ごし方を、足立先生にアドバイスしていただきました。
「体力に自信があって疲労感もそれほどない方は、積極的にスポーツ、岩盤浴や長い入浴で汗を出すのがおすすめです。
逆に虚弱体質や疲労感が強い方は無理に発汗してしまうと体力が奪われるので不向きです。
1日10分のウォーキングから始めてみましょう。
食養生も大切です。
酒類、甘い物、脂っこいものは控えましょう。
また、意外と知られていませんが、生姜は胃腸虚弱の方には不向きですので摂りすぎに注意してください。」

体を温めるのには生姜!と思っていた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
生姜は7割以上の漢方にも使われているように、体温をアップする効能にとても優れています。
しかし生姜に含まれる成分「ジンゲロール」は、胃腸を刺激し胃液の分泌を促す効果があるため、胃腸が弱っている場合は返って粘膜にダメージを与えてしまうリスクがあります。
ジンゲロールは加熱することで成分が変化しマイルドになるので、胃腸が弱っているときは生姜を生で食べるよりも、火を通すようにしてくださいね。

まとめ

女性は月経にまつわるさまざまな症状で、体の状態を確認できるのですね。
普段見過ごしている変化に不調のサインが隠れていると気付けば、自分自身を改めて見直す良いきっかけになることでしょう。
足立先生のコメントから漢方をより身近に感じることができた方は、ぜひこの機会に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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