【分子栄養学から見る】気分の落ち込みを解消する栄養素とは?

2017. 11. 29
監修:吉川圭美 栄養士・栄養カウンセラー・ライター
5年前、取材で出会った分子整合栄養医学(オーソモレキュラー)に魅了され資格を取得。「毎日を楽しく、ゴキゲンに過ごすための栄養」をキーワードに、栄養のおもしろさをわかりやすくアウトプットするため活動中。

いつもパワフルで、いやなことがあってもすぐに立ち直ることができる人がいます。

その一方で、ちょっとしたトラブルを人間関係の引きずってしまったり、朝から気持ちがふさぎ込んでしまったり、なぜかイライラした気持ちが止まらなかったりする人も……。

その違いはどこにあるのでしょう?

理由はいろいろありますが、もしかしたら、あなたが日ごろから口にしている食べ物(=栄養)に原因があるかもしれません。

そんな、栄養とメンタルの関係についてひもといていきましょう。

うつの原因は栄養不足!?うつの原因は栄養不足!?

セロトニンやドーパミン、といった言葉を耳にしたことのある人も多いかもしれません。

これらは神経伝達物質と呼ばれるホルモンのこと。

脳の細胞たちは、これらホルモンを飛ばしあい、メッセージを伝え合うことで心の状態を生み出しています。

セロトニンは幸せ感や落ち着いた心、ドーパミンはわくわくした気持ち、ノルアドレナリンはやる気や集中力、GABAはホッとした気持ち、など。

ほどよく落ち着き、やる気に溢れたベストな状態をキープするためには、セロトニンやドーパミンなどが脳内にバランス良く存在することが欠かせないといえるでしょう。

しかし、ホルモンのバランスを崩してしまったり、量が不足してしまったりすることがあります。

すると、心が不安定になってしまったりすることも……。

ホルモンを作る材料はどこから来ているかといえば、あなたが日ごろ口にしている食事。

もしかしたら、メンタルの落ち込みは、栄養不足のサインなのかもしれません。

鉄やビタミンB群の不足が、心のゆらぎに関わっている

脳ではたらく神経伝達物質づくりに欠かせない栄養素が鉄。

しかし残念ながら、女性に不足しがちな栄養の代表格なのものもまた、鉄です。

食事からとれる量が少ないうえ、毎月の生理で多く失ってしまうため、つねに不足気味となっています。

加えて、ビタミンB6やナイアシン、葉酸といったビタミンB群も、大切な材料。

しかし、白米や白砂糖といった、ビタミン、ミネラルがそぎ落とされたものを多く口にしていたり、ごはんやパン、パスタ、甘いものを多くとるなどビタミンB群のムダ使いをしていたり、ストレスを抱えていたり、と現代人にとっては消費しやすい栄養素でもあります。

さらにビタミンCやマグネシウムなども関わってきます。

これら栄養の不足をそのままにしておくと、メンタルのゆらぎに関わってきます。

鉄は赤身の肉やレバー、ほうれん草などに、ビタミンB群は玄米や雑穀といった未精製の穀物や肉、魚、豆などに含まれています。

とくに気になるのが、おにぎりや菓子パンだけで食事を済ませているパターン。

こうした食事を続けていると、必要なビタミン、ミネラルがどうしても不足しやすくなってしまうので、おかずもしっかりととってほしいところです。

実際、うつで病院に駆け込む人も、不足した栄養素を満たしてあげることで不調がやわらぎ、薬を減らすことができたというケースも。

栄養が身体にあたえる影響は、それほど大きいものだといえます。

食事でとりにくい栄養素はサプリメントを使うのも賢い方法

一方で忙しい現代人には、サプリメントを生活に取り入れるのも賢い方法といえます。

とくに鉄は食べ物からの吸収率が肉や魚の場合10〜20%、ほうれん草やプルーンなど植物性のものに至っては、2〜5%と少なめ。

とるのが難しいからこそ、サプリメントの出番。

また、ビタミンB群はおもに8種類もあるので、食事からとるのに戸惑ってしまいそう……。

こんなときもサプリの力を頼ってほしいものです。

サプリメントを選ぶ場合は、品質の確かなものを選ぶのが基本です。

さらに鉄の場合はヘム鉄と書いてあるものをチョイス。

ビタミンB群は水溶性なので、そのときに身体に必要な量より多い場合、尿として体外に捨てられてしまいます。

そのため、一度にたくさん飲むよりも、こまめに分けて飲むと、効率的にはたらいてくれます。

野菜不足と同じくらい、意識したいのがタンパク不足

さらに不可欠な栄養素といえば、タンパク質があげられます。

これはホルモンを作るためのベースとなる材料。

タンパク質が足りなければ、どのホルモンも作り出すことは難しくなってきます。

とくに、野菜中心の生活をしている人や、ベジタリアンの方は要注意。

どうしてもタンパク質が不足してしまいがちです。

「ステーキや焼き肉も、ときどき食べているから大丈夫」というのも、少々早計かもしれません。

タンパク質は体重1kg当たり最低でも1gは必要。

たとえば体重50kgの女性なら、一日あたり50gは必要ということになります。

たとえば200gの牛ステーキを一枚食べればタンパク質は約40gとれますが、プロテインスコア(タンパク質は20種類のアミノ酸が何百個とたくさんくっついてできているが、人間の身体で作れないものが9種類あり、食べ物でとる必要がある。この9種のバランスを数値化したもの)や調理による損失を考えると、実際にとれる量は、実は16gほど。

「たったこれだけ?!」と驚くかもしれません。

毎回の食事でよほど意識しなければ、タンパク質を満たすのは難しいことがわかるでしょう。

野菜不足と同じくらい意識したい、タンパク不足。

満たされていくことで、気持ちはもちろん、身体も大きく変わってくることに気づくはずです。

更年期で「なんだか落ち込みやすい」「気分が晴れない」という場合も、もしかしたら栄養不足が潜んでいることがあるかもしれません。

まとめ

最後にちょっと私の話を。

食事に無頓着だったころは、ちょっと失敗しただけでガーンと落ち込んでしまうことが多く、とことん自信をなくしてしまうことも多々。

しかし栄養と身体の関わりに気づき、きちんと満たすように変えたところ、くよくよと思い悩むことが少なくなってきたように感じます。

自然と心が前向きでいられる心地良さを実感しているのも大きな収獲です。

オーソモレキュラーを実践している方々も、みんな快活でパワフル、そしてポジティブ。

栄養の力を改めて見るような思いがします。

身体のどこかに痛みやつらさがなかったとしても、心が晴れないだけで、毎日の何もかもが楽しめなくなるのは残念なことです。

でも大丈夫。

こんなときも、栄養が力になってくれます。

もし気になっているなら、できることから意識してみてはいかがでしょうか。

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監修:吉川圭美 栄養士・栄養カウンセラー・ライター
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