【分子栄養学から見た】気分の落ち込みを解決する鍵は「血糖調節」にあり

2017. 12. 17
監修:吉川圭美 栄養士・栄養カウンセラー・ライター
5年前、取材で出会った分子整合栄養医学(オーソモレキュラー)に魅了され資格を取得。「毎日を楽しく、ゴキゲンに過ごすための栄養」をキーワードに、栄養のおもしろさをわかりやすくアウトプットするため活動中。

年齢を問わず、ほとんどの女性が大好きなものといえばスイーツ!

朝からだるくて気分が落ち込んでいても、差し入れでいただいた甘いシュークリームを食べるだけで元気が出てきた、なんて経験を持つ人も多そうです。

でもちょっと待って。その一口が、メンタルの不調を作りだしているかもしれない、といったら驚くでしょうか。

そのカギを握るのは「血糖調節」。理由について、分子栄養学の観点からひもといてみましょう。

まずは知りたい、「血糖」とは。「血糖調節」とは。

最近、テレビの健康番組や雑誌、広告などさまざまところで「血糖値」という言葉を目にすることが多くなりました。

私たちの身体は糖や脂肪、さらにはタンパク質をエネルギーとして使っています。

そして走ったり、本を読んだり、肌細胞を作ったりと活動をするときには糖を最優先で使っています。

そのため、血液のなかにはつねに一定量の糖を含んでいます。

この糖(ブドウ糖)が「血糖」であり、その量を血糖値といいます。

血糖値が下がりすぎると、けいれんが起こったり、昏睡状態に陥ることもあるため、脳の視床下部では、血液中の血糖の量がに常に一定に保たれているか、チェックしています。

血糖値は、食事で糖をとると上がります。とくにごはんやパン、チョコレートなど糖質が多いものをたくさん食べると一気に上昇。

この、多すぎる糖を一定の値に戻すために活躍するのがインスリンです。

すい臓のランゲルハンス島というところから出てきて、肝臓や筋肉、脂肪組織に糖を取り込むようにはたらき、血糖値を下げてくれます。

だいたい食後1時間ぐらいでインスリンの量はピークに達し、通常であれば、2〜3時間後にもとの血糖値に戻ります。

こんなふうに、私たちの身体は必要に合わせて「血糖調節」を行っているのです。

血糖調節がうまくいかないとどうなる?

この調節がうまくいかず、血糖値が下がりすぎてしまうことがあるのです。

すると、今度は血糖値を上げるホルモン(グルカゴン、アドレナリン、コルチゾールなど)を出します。

アドレナリンは闘争に関するホルモンともいわれ、イライラや攻撃的な態度に。

ちなみに空腹時にイライラしやすいのも、血糖値が下がっている状況でなんとかしようとアドレナリンが出ていると考えることができます。

一方、コルチゾールは副腎から出されている、ストレスや炎症をやわらげるホルモン。

普段からストレスの多い環境にいることで、大量に分泌していると、副腎が疲れてしまい、疲れやすくなってしまう傾向になります。

甘いものは、血糖値を大きく乱す最たるもの。

食べ過ぎるたびに、血糖値を一定にしようと身体のなかではさまざなホルモンが分泌されています。

その様子は、さながら嵐といったところ。

イライラや落ち込みも、身体のなかで起こった嵐が表面に出てきている、ともいえるかもしれません。

普段の食事がパンやごはん、パスタなど、糖質中心になってしまっているなら気をつけたほうがよいかもしれません。

ちなみに、甘いものを食べると幸せな気分になりますが、実はこれ、幸福ホルモンともいわれるセロトニンが増えるため。

でも、その効果は一瞬であり、さらにイライラや気分の落ち込みを助長させてしまうのです。

今すぐできる、血糖調節をコントロールする食べ方のコツ

でもご心配なく。

血糖調節は食べ方でコントロールすることができます。

そもそも、血糖値を上げるのは糖質だけ。

そのため、スイーツやパン、ごはんといった糖質を減らすほど、血糖値の急激な上がり下がりはなくなり、穏やかな心を取り戻すことができるでしょう。

というと「スイーツのない人生なんて悲しすぎる!」なんて声が聞こえてきそうです。

そこで、スイーツを食べるときの血糖調節のコツをご紹介。

たとえばスイーツをとるなら、ショッピングや掃除など、身体を動かす予定を入れてしっかり動くように。

GLUT4と呼ばれる糖の“運び屋”が筋肉細胞の中から表面に顔をだし、糖を細胞内に運び入れてくれるのです。

そのことで血液中の余った糖を減らすことにつながります。

歩くなら20分程度が目安です。

私の場合、スイーツをどうしても食べたいときは食後に少量だけ食べる、という風に心がけています。

ただ、普段からお菓子や甘いジュースをしょっちゅう口にしている人は、見直しが必要かもしれません。

頻繁にとっている人の場合、その多くはおいしい、というよりも、惰性でなんとなく口にしていることも多いのです。

そこで、心から「これが食べたい!」というものだけを食べる、というチョイス方法にスイッチ。

口寂しいなら、ナッツやチーズなど、糖質の少ないものに。

最近話題の低糖質スイーツを取り入れるという手もあります。

市販のものは、一般的なスイーツと遜色ないおいしさのものも多いので、ぜひお試しを。

低糖質アイスやプリン、チョコといったものは簡単に手作りできるので、スイーツ好きならトライする価値はおおいにあると思います。

血糖値を自分でゆるやかにコントロールしてみよう

ご飯やパンがやめられないという人は、食事の仕方にもひと工夫を。

まずは肉や魚といったタンパク質をたっぷり食べて、その後に野菜、そして最後にパンやごはんをちょこっと。

食事の最初はどうしてもお腹がすいているため、必要以上にたっぷり食べてしまいがちです。

そのため、肉や野菜である程度お腹を満たしてからに口にすることで、少しの量で満足することができます。

さらに野菜などに多い食物繊維を先にとっておくことで、血糖値の急上昇を防ぐというメリットもあります。

まとめ

いくらメンタルが不調だからとはいえ、ご飯やパン、スイーツを減らすというと「私はご飯が大好きだから絶対に無理!」という反応も少なくありません。

何を隠そう、私もそのひとりでした。

でも、一度、心も身体もスッキリとした調子がいい状態を体験すると、当時を振り返って「あんなに調子が悪かったのに、よくがんばることができたなあ」と感じてしまうもの。

たまにハメを外して食べ過ぎると、あのときの調子の悪さが戻ってきてしまい、食べかたの大切さを改めて感じています。

心の調子がよくないだけで、旅行に行っても友達と会っても存分に楽しめないもの。

まずはふだん、口にしているものを見直してみてはいかがでしょう。

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監修:吉川圭美 栄養士・栄養カウンセラー・ライター
5年前、取材で出会った分子整合栄養医学(オーソモレキュラー)に魅了され資格を取得。「毎日を楽しく、ゴキゲンに過ごすための栄養」をキーワードに、栄養のおもしろさをわかりやすくアウトプットするため活動中。
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