最近、テレビや雑誌などでも特集されることが多い「ファイトケミカル」。
美容と健康に興味がある方なら、一度は聞いたことがあるかと思います。
ファイトケミカルについての知識が無いままでは、毎日の自炊を頑張っていても、とてももったいない調理法をしているかもしれません。
食材の選び方、調理の仕方で、体に吸収できる栄養素は大きく変わってきます。
ファイトケミカルは、抗酸化作用がとても高く、免疫力をアップさせるなどが代表的な効果ですが、様々な研究が進むにつれ、実はダイエットにも優れた働きをすることがわかってきました。
ここからは美容と健康には欠かせないファイトケミカルの素晴らしいパワーについて、詳しく調べてみましょう!
目次
第七の栄養素?ファイトケミカルとは
糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルといった5大栄養素に加え、第6の栄養素である食物繊維、それに次いでファイトケミカルは第7の栄養素と言われています。
ファイト=ギリシャ語で植物という意味があり、具体的には野菜、豆類、果物、芋類、海藻、ハーブなどといった植物の色、香り、苦味、辛味などに含まれる天然の化学物質のことです。
動物のように自由に動くことができない植物は、害虫や紫外線などの外敵から身を守り、厳しい環境の中で生き抜くために、ファイトケミカルという形で自分自身を守る力を生み出しました。
この植物だけが持つ特別なパワーは、私たちの健康にとって、たくさんの良い働きをすることがわかっているので、日々の生活の中で、上手に摂取することに注目が集まっています。
代表的なファイトケミカルの成分として、ぶどうに含まれるポリフェノールや、緑茶のカテキン、トマトのリコピン、ブルーベリーや黒豆のアントシアニン、にんじんやかぼちゃなどのβカロチン、唐辛子のカプサイシンなどがあげられます。
これらを見てみると、とても鮮やかな色、特徴のある香りや味などがあることがわかりますね。
スーパーで野菜や果物を選ぶとき、より香りの強いもの、色が濃いものを意識して買うようにし、なるべく多くの彩りの食材を取り入れることで、たくさんのファイトケミカルを摂取することができるのです。
抗酸化作用がファイトケミカルの魅力!どんなパワーがある?
ファイトケミカルは、その強い抗酸化パワーが大きな魅力です。
年齢を重ねると共に、私たちの体は古くなった鉄のように錆びついてしまいます。
体が錆びつく原因は、体内の酸素の一部が活性酸素となり、健康な細胞を傷つけてしまうことにあります。
例えばリンゴを切った面をそのままにしておくと、やがて茶色いくすみが出て、表面がシワっぽくなっていきます。これは酸化現象であり、私たちの体内でも日々起こっているのです。
傷ついた細胞が酸化し、錆びついてしまうことで、体が老化するスピードが早くなってしまいます。活性酸素は見た目の老化だけでなく、活性酸素が原因でガンなどの恐ろしい病気にもつながるのでとても危険です。
つまり、上手に酸化を防ぐことが、いつまでも元気で若々しくいられることになりますね。
しかし、私たちはストレスや紫外線、大気汚染などの影響を受け、日常の生活をしているだけでも、活性酸素による酸化を避けることは不可能です。
そこで、ファイトケミカルを通して積極的に抗酸化し、錆びない体作りをすることがとても大切になってくるのです。
ファイトケミカルには抗酸化作用の他にも、たくさんの健康効果があります。
・免疫力をアップさせる
・傷ついたDNAの修復作用
・ガン細胞の増殖を抑制する
・ホルモンバランスを安定させる
・動脈硬化の予防
このようにファイトケミカルは、老化し機能が衰え、やがて病気になる事を予防できるという植物の優れた健康パワーであることがわかります。
ファイトケミカルで痩せやすい体?ダイエットとの関係性
ファイトケミカルは美容面で考えても、アンチエイジング効果がとても高く、しわ、シミ、くすみや白髪予防にも大変効果的です。
さらに、40代を過ぎると気になる血圧、コレステロール、中性脂肪などにもとても効果があり、ダイエットの結果を出しやすい体になることも分かっています。
ブドウ糖の吸収を抑制し、血糖値が急上昇するのを防ぐため、食事のスタートにはファイトケミカルたっぷりの一品を常備することで、かなりのダイエット効果が期待できます。
ファイトケミカルは、皮の部分にとても多く含まれているので、皮を剥いて調理してしまうと丸ごと捨ててしまっていることになるので、もったいない!
リンゴ、ぶどうなどの果物は皮ごと食べ、人参、かぼちゃ、じゃがいもなどはスープに皮ごと入れることで、無駄なく食べることができます。
玉ねぎの薄皮や、野菜のヘタの部分など、どうしても食べづらい部分はティーパックに入れ、そのまま煮込むなど、とにかく捨てないことが大切です。
このファイトケミカルたっぷりのスープは、代謝を高め、血液の流れを促進し、老廃物をデトックスする効果があるので、ダイエットには最適です。
ファイトケミカルは植物がもつ細胞壁の中に入っているため、ビタミンのように加熱しても壊れてしまう心配はありません。
細胞壁を壊すように、ミキサーにかけてポタージュ状にしたり、細かく砕いて食べることで、しっかりと吸収することができます。
ファイトケミカル、食事に取り入れる方法はこれ !
ファイトケミカルを無駄なくたっぷり摂取するには、野菜や豆はスープで、果物はジューサーでスムージー状にしていただくのが一番!
ここではダイエットにぴったりで、寒い冬の一品になるスープのレシピをご紹介します。
これらの野菜を日替わりでチョイスして、更にわかめ、昆布など海藻類を加えるとファイトケミカルたっぷりのスープができあがります。
味に飽きがこないよう、野菜の組み合わせを変えたり、コンソメ風味、カレー風味など調味料を少し加えても良いでしょう。
また鶏の胸肉やササミなど良質なタンパク質のあるものや、コラーゲンたっぷりの手羽先なども加えて煮込むと、より美味しくなりますね。
まとめ
植物の持つ優れた力、ファイトケミカルは、今わかっているだけで何と1500種類以上もあるそうです。この先、さらに研究が進むことで、私たちの健康や美容に欠かせない存在になることは間違いないでしょう。
この自然がくれた植物の命の恵みは、人間の体では作り出せないパワーを与えてくれるのですね。