美容に良い成分といったら、まずその名前が出てくるほど「コラーゲン」は女性に人気の栄養素です。
最近の情報では、コラーゲンは食べても意味がない!などの考えもあるようですが、実際のところはどうなのでしょうか?
お化粧品や、食材、サプリメントとしても、コラーゲンが豊富となるとやっぱり気になってしまいますね。
ここでは、女性にとって美しさを作るために欠かせない、コラーゲンについてご紹介します。
美しい女性を作るコラーゲンとは?
コラーゲンはたんぱく質の一種です。
私たちの体は、約60兆個という膨大な数の細胞で作られていますが、その細胞の一つ一つをつなげることで体を形成しているのがコラーゲンです。
コラーゲンは、25歳あたりからどんどん減少していき、40歳ではピーク時の1/2に、60歳になると1/3にまで少なくなってしまいます。
コラーゲンの役割は、肌の弾力やハリを出すことで、肌の真皮層の約7割がコラーゲンが占めています。
そのため、コラーゲンが減少することで、肌のハリが失われ、たるみやシワができやすくなってしまうのです。
コラーゲンはサプリメントやドリンク剤などでも多く販売されていますが、実はコラーゲン を摂取しても全てが肌の弾力繊維として補われるわけではありません。
コラーゲンは口に入ると、一旦アミノ酸として吸収されやすいよう小さく分解されます。
そして小腸から体に吸収され、血液に乗って体のあちこちに運ばれていきます。
コラーゲンを食べると、すぐに肌に届くわけではなく、まずは体が必要としている箇所に運ばれ、コラーゲンを作る線維芽細胞の元となって補われていくのです。
コラーゲンが女性を美しくする理由はコレ!
では、美肌や美髪のためにコラーゲンを食べることは、全く意味がないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。
先ほどご紹介したように、肌や髪にコラーゲンが運ばれる優先順位は低いので、コラーゲンを食べた翌日にすぐに肌がぷるぷるになる、という即効性は期待できませんが、継続して摂取することでたくさんの美容効果を期待することができます。
肌のハリ、乾燥の改善、髪の成長やコシ、爪が綺麗になるといった外見的な美しさに役立つだけでなく、骨を強くしたり、血管をしなやかにするといった効果もあります。
年齢を重ねると、血管の機能が低下し、体のすみずみにまで広がっている毛細血管がもろくなります。
血流が悪くなることで、体のすみずみまで栄養素や酸素が運ばれにくくなり、細胞の生まれ変わりの機能も低下してしまいます。
肌の新陳代謝も悪くなり、新しい細胞を作る機能も衰え、髪もハリやコシを失うなど、見た目の老化に大きく影響を及ぼすのです。
このように、コラーゲンは肌に直接働きかける弾力繊維としての働きだけでなく、体の中から栄養をしっかりと届けることができる体を作る働きとしても、大きな役割があるといえるのです。
女性ホルモンとコラーゲンの深いつながり
コラーゲンは、プルプルとしたゼラチン質を食べることで補給するイメージですが、実は体の中で生成することができる成分です。
この時、女性ホルモンのエストロゲンが、コラーゲンやヒアルロン酸の生成といった肌のハリやみずみずしさを作り出すことと大きく関係してきます。
生理周期のうち、生理前は肌の調子が悪くなりやすく、生理の後が肌の状態が一番良い、というのもエストロゲンの分泌量が生理後に一番多くなるためです。
エストロゲンは美肌ホルモンとも呼ばれています。
水分量を調節し、肌を乾燥から守ったり、コラーゲンの生成を促す作用があるので、エストロゲンがたくさん分泌される生理後から排卵期にかけての女性の肌は、ハリとツヤがあり、安定した状態になるのです。
年齢を重ねた女性の場合、エストロゲンが大きく減少してしまうことで、肌にハリ、ツヤが無くなるだけでなく、骨がもろくなることがあります。
骨粗鬆症という骨が軽石のようにスカスカになってしまうことで、万が一骨折をすると寝たきりになってしまうことも。
骨粗鬆症の予防のためにも、骨の強さをアップする効果があるコラーゲンを積極的に摂取することがおすすめです。
このように、年齢とともに減少するコラーゲンを補うことは、女性の美容と健康のためにとても大切ということでしょう。
コラーゲンと一緒に摂りたい!相性の良い栄養素
コラーゲンを食べても、全て肌のハリや弾力として吸収されないということがわかりましたが、継続的に摂取することで、肌や髪、爪などの外見的な効果を実感することは可能です。
最低でも1週間続けてコラーゲンを摂取することで、肌や髪、爪などの末端部分にもコラーゲンの効果による何らかの変化を感じることができるでしょう。
ここでは、一緒に摂取することで、コラーゲンの効果をより高く引き出すことができる栄養素、逆に一緒に摂取しない方が良い栄養素なども知っておきましょう。
〈おすすめ!コラーゲンと相性の良い栄養素〉
・ビタミンC
ビタミンCには、コラーゲンの生成を促進する働きがあります。
コラーゲンがビタミンCをご飯のようにモリモリ食べて、よりパワーアップして活躍ができる、といった感じです。
風邪の引きはじめや、たくさんの運動をしたあと、ストレスや疲労がたまっている時は、体がいつもよりたくさんのビタミンCを消費します。
ビタミンCは体に貯蔵できないので、果物や野菜から摂取するのと同時に、毎日サプリメントなどでも補うと良いでしょう。
・エラスチン
コラーゲンと同様に、肌のハリや弾力を支えているのがエラスチンです。
肌のみずみずしさや、きめの細かさ、たるみやシワにもとても効果的な成分です。
エラスチンは牛すじ、豚スジ肉、カツオの心臓部などの食材に多く含まれていますが、日常的に食事から摂取するには食材が限られているので、サプリメントを活用すると良いでしょう。
〈注意!コラーゲンの効果を下げてしまう栄養素〉
脂質
スナック菓子、揚げ物といった脂質の高いものは、コラーゲンやヒアルロン酸の合成を妨げてしまいます。
オメガ3など、青魚に含まれるような質の良い脂は問題ありませんので、選んで摂るようにしましょう。
・糖質
糖質の高いものを取り続けると、コラーゲンの中のアルギニンというアミノ酸の一種が、糖化という減少を起こしてしまいます。
一度、コラーゲンが糖化されてしまうと、肌が黄色っぽくくすんでしまい、ゴワッとした硬い質感になってしまい、元に戻すのは至難の業です。
糖質の摂り過ぎには十分注意しましょう。
まとめ
美肌を目指すためにコラーゲンを補うには、ある程度継続的に摂り続けることが必要ということがわかりました。
コラーゲンが豊富な食材として、フカヒレ、すっぽん、鶏皮、牛すじ、豚足、鮭、サバなどが挙げられます。
これらを毎日の献立に組み合わせる工夫をしたいところですが、なかなか量が取れない場合は、パウダータイプのサプリメントや、手軽に飲めるドリンクタイプでコラーゲンを補っていきましょう。