【分子栄養学から学ぶ】睡眠負債完済を目指せ!睡眠改革のための栄養素

2018. 02. 23
監修:吉川圭美 栄養士・栄養カウンセラー・ライター
5年前、取材で出会った分子整合栄養医学(オーソモレキュラー)に魅了され資格を取得。「毎日を楽しく、ゴキゲンに過ごすための栄養」をキーワードに、栄養のおもしろさをわかりやすくアウトプットするため活動中。

昨年にメディアで取り上げられるやいなや、一躍注目を浴びるようになった「睡眠負債」。

日ごろからきちんと睡眠がとれていない状態が続くと、まるで借金のように睡眠不足が積み重なっていき、心身にダメージを与えてしまいます。

そんな負債がたまってしまうと、自律神経が乱れやすくなったり、集中力が下がってしまったり、免疫力が低下したり、さらには心臓病や糖尿病などに関するリスクも出てくるというから気になります。

そこで、栄養面からサポートできることをピックアップしていきます。

良質な眠りのカギを握るメラトニン

睡眠負債をためないためには、睡眠時間を確保する、規則正しい生活を送る、といったことはもちろん、眠りの質を上げていくことも大切なことです。

スムーズな眠りには、メラトニンというホルモンが大きく関係しています。

これは別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれるもの。

脳の松果体というところからだされ、自然な眠りをうながしてくれます。朝目覚め、太陽の光を浴びてから14〜16時間後になると分泌がスタート

身体の中心部分の体温がゆっくりと下がり、眠気を感じるようになります。

このメラトニンがきちんと作られていることが、質の良い眠りにつながっているのは言うまでもありません。

メラトニンは何からできるか、当然、私たちがふだん食べているものから作られます。

 

よい眠りのためにとりたい、3つの栄養素

メラトニンを作る栄養素は3つ。

そのメインとなる材料がタンパク質なのです。そしてビタミンB6とナイアシンも必要となります。

もし、眠りの質があまりよくないと感じているなら、もしかしたら栄養不足が関係しているかもしれません。

タンパク質は肉や魚、卵、大豆製品といったものに多く含まれています。

またビタミンB6はさんま、バナナ、さつまいもなど、ナイアシンは牛肉、豚肉、サバ、たらこといったもの。

カツオやマグロは3つの栄養を備えたすぐれものです。

ここで気になるのは、野菜中心の食生活をしている場合。

タンパク質やビタミンB6、ナイアシンは動物性の食材に多いため、これらを避けてしまうと、不足しやすくなるからです。

よい眠りのためには、野菜も肉もしっかり食べましょう。

ちなみに「寝る前には食べてはいけない」とはよく言われることですが、タンパク質は別

メラトニンの材料となるのはもちろん、成長ホルモンの材料としても使われるからです。

人間の身体では、眠っている間に成長ホルモンが分泌され、身体の傷ついた部分を修復したり、脂肪を分解したり、疲れをとったり、ということが行われています。

タンパク質をとることで、これらの仕事がよりスムーズに。ゆで卵、チーズなどを、100キロカロリーを目安にとるのがおすすめです。

夜の糖質のとりすぎは眠りをさまたげることも

逆に、眠りを妨げてしまう栄養素も存在します。それは糖質。

全身がエネルギー不足にならないよう、血液にはつねに一定量の糖を含まれていて、多くなり過ぎたり、少なくなり過ぎたりしないよう、脳の視床下部で絶えずチェックが行われています。

しかしパンやスイーツといった糖質を含むものを多く食べると、その分血糖値も急上昇。

インスリンというホルモンがはたらき、一定の量に戻しています。

その後、インスリンによって血糖値が下がりすぎてしまった場合、こんどは上げるためにアドレナリンなどのホルモンが出されます。

アドレナリンといえば、興奮に関係するホルモン。

体内の交感神経が優位になり、寝汗、悪夢、歯ぎしりなどが起き、眠りが浅くなる、というわけです。

そのため、寝る前に糖質の多いものをとりすぎてしまうと、せっかくの睡眠を邪魔してしまうことがあるのです。

糖質、寝る前は控えめに!

お風呂上がりのアイスクリームもほどほどに

よい眠りを妨げてしまう糖質。

思い当たる節があるなら、ディナー時の主食は控えめにしておくのがよいでしょう。

その分、肉や魚をたっぷりと。

眠りについても、なぜか2〜3時間後に目が覚めてしまう人は要チェック。

もしかしたら、お風呂上がりにアイスクリームを食べたりしていませんか。

インスリンが分泌されて血糖値がグッと下がり、再び血糖を上げるためのホルモンが分泌されるのが2〜3時間後。

睡眠中に起きてしまう時間と重なります。

このほか、しっかり寝たつもりなのに疲れがとれない、一度目が覚めると寝付けなくなってしまう、といった不調も血糖値の上がり下がりが関係している場合があります。

ウエイトコントロールのために、そしてよい眠りのためにも、糖質はぜひ控えめにしておきたいところです。

まとめ

忙しいと、どうしてもおろそかになる睡眠への意識。

実は日本人の睡眠時間自体もどんどん短くなっており、一日の平均睡眠時間が6時間を切る人が2007年には約29%だったのが、2015年には約40%と増えているというから驚きます。

しかも、世界の人たちに比べても、とくに睡眠時間が短いというデータも……。

ちなみに、週末の寝だめも、睡眠リズムが乱れる原因となってしまい、質の低下をもたらしてしまうのだとか。

日々の睡眠時間をしっかり確保するのはもちろんのこと、食卓でできる工夫をプラスすることで、睡眠負債を少しでも減らしていきましょう。

Recommendおすすめ記事

監修:吉川圭美 栄養士・栄養カウンセラー・ライター
5年前、取材で出会った分子整合栄養医学(オーソモレキュラー)に魅了され資格を取得。「毎日を楽しく、ゴキゲンに過ごすための栄養」をキーワードに、栄養のおもしろさをわかりやすくアウトプットするため活動中。
TOPへ戻る