更年期の代表的な症状、「イライラ」。
おもな原因は女性ホルモンの急激な減少です。
「エクオール」という成分をご存知ですか?
イソフラボンが女性の身体に良いということはよく知られていますが、その元となるのが、このエクオールなのです。
更年期のイライラにおすすめしたいエクオールについて、詳しく解説していきます。
更年期にイライラしてしまうのはなぜ?
更年期には、全身にわたって様々な症状が出ますが、時期によって症状の移り変わりがあることが特徴です。
そのため、個別の症状ごとにお医者さんに相談してもなかなか解決しない、などの悩みを抱える方も多いようです。
更年期の代表的な症状は、ホットフラッシュ(身体のほてりやのぼせ)や動悸、頭痛、食欲不振など、多岐にわたります。
なかでも、特に多くの女性が経験する症状が「イライラ」です。
ささいなことで感情が爆発してしまったり、何となく憂鬱な気分になったり、ふとした拍子に涙が出たり……。
もちろん、うつ病などの精神的な病気が原因のこともあるのですが、そのイライラが更年期由来のものであった場合、ちょっとした工夫で改善できるかもしれません。
更年期のイライラはなぜ起こるのでしょうか?
それは、エストロゲンという女性ホルモンの急激な減少が原因です。
女性ホルモンは全身に関わりがあるホルモンで、その分泌量は年代によって変化し、心身にさまざまな影響を与えます。
30代半ばに分泌量のピークを迎え、それ以降は少しずつ減っていき、40代半ばからは急激に減少します。
この急激な変化に身体がついていけず、自律神経の乱れが起こるため、さまざまな更年期の症状があらわれるのです。
また、エストロゲンは気持ちを穏やかに保つ作用があるため、エストロゲンが急激に減少すると、イライラや不安感などの精神的な症状が現れる原因にもなるのです。
更年期の女性にうれしいエクオールの効果
女性の美と健康に良い成分の代表的なものに、豆腐や納豆に含まれる大豆由来の成分、「イソフラボン」があります。
大豆イソフラボンがヒトの体内で腸内細菌によって代謝されると、「エクオール」という成分が作り出されます。
そのエクオールは女性ホルモンのエストロゲンと形が似ていて、ヒトの体内で女性ホルモンのような働きをするのです。
つまり、大豆イソフラボンの女性ホルモンに似た働きの元が、エクオールなのです。
近年、エクオールによって、エストロゲンが減少する更年期の症状が改善するという研究結果が報告されました。
それだけでなく、骨粗鬆症の予防効果やメタボ改善作用、抗酸化作用、皮膚の老化の予防など、エクオールによるさまざまな効果も報告されています。
女性ホルモンが減少してくる更年期の女性の心身のサポートに効果が期待できるということで、近年、エクオールに注目が集まっています。
体内でエクオールを作れる人と作れない人がいるって本当?
エクオールは、大豆製品に含まれるポリフェノール・大豆イソフラボンが、ある種の腸内細菌によって代謝されることによって作り出されます。
ただ残念なことに、その腸内細菌はすべての人が持っているわけではないのだそう。
その割合は、日本人では約2人に1人だと言われています。
さらに年代別にも割合に違いがあり、中高年女性は50%程度に対し、20代女性は20%程度しか持っていないという報告もあります。
これは食生活の欧米化が原因と言われているので、洋食を好む方や外食が多い方は注意した方が良いかもしれません。
さらに、エクオールが作れない人ほど更年期症状が重い傾向にある、という報告もあります。
そのため、更年期の症状に悩む女性にとって、エクオールは特に意識して摂取したい成分だと言えます。
エクオールを上手に摂り入れるコツ
更年期の症状に良いと言われている大豆イソフラボン。
「大豆製品を摂るように心がけているのに、いまいち効果が感じられない……」という人は、もしかしたらエクオールを作る腸内細菌を持っていないのかもしれません。
でも心配することはありません。
エクオールを含むサプリメントがあるので、手軽に摂取することができます。
エクオールを作る腸内細菌を持っている方でも、サプリで補えば意識的に大豆製品を食べる手間が省けるので、安心ですね。
まとめ
女性ホルモンと似た働きをすることで有名な大豆イソフラボン。
その働きの元がエクオールだったのですね。
また、約半数の人が体内でエクオールを作り出すことができないということは驚きです。
女性にとって、更年期の年代には子どもの進学やキャリアアップ、介護の問題など、さまざまなライフイベントが重なる時期でもあり、イライラは特に辛い症状です。
エクオールを上手に暮らしに取り入れて、更年期のイライラから解放されましょう!