今まで、基礎体温をはかったことがある方は、生理周期や妊娠しやすい時期を知るためを目的にしてきたのではないでしょうか。
基礎体温は女性にとっては自分の体の調子を知ることができる、ものすごく重要なデータ。
40代以降に訪れる更年期の予兆についても、基礎体温から分かることができます。
今回は、基礎体温と更年期の関係についてご紹介します。
基礎体温をつけると体の状態が分かる!
基礎体温とは?
基礎体温とは、エネルギーを使っていない一番低い状態のときの体温を指します。
そのため、基礎体温を計るには、活動している日中ではなく、安静にしている睡眠中に計る必要があります。
実際には朝起きてすぐの体温を計りましょう。
ちなみに自分の平熱がどれくらいかはご存知ですよね。毎日、測ってみてもほとんど変化はありません。
一方、基礎体温は一定の周期の中で体温の高い時期と低い時期があります。その差は0.3~0.5℃くらい。
わずかな差ですが、ここから体の変化が分かるのです。
高温期と低温期について
基礎体温をはかることで、女性ホルモンが正常に分泌されているかどうかがわかります。
女性の体は、エストロゲンとプロゲステロンというふたつの女性ホルモンによってコントロールされています。
これらは一定の周期で分泌量が変化しており、その動きが基礎体温をはかることで確認できるのです。
エストロゲン(卵胞ホルモン)の特徴
・女性らしい体作りをサポートするホルモン
・基礎体温を下げる
・生理後から、排卵前にかけて分泌量が増加
・髪や肌の調子が良い、コレステロール値を調整 など
プロゲステロン(黄体ホルモン)の特徴
・妊娠の準備、サポートをするホルモン
・基礎体温を上げる
・排卵後から次の生理にかけて分泌量が増加
・腹痛、頭痛、むくみ、イライラなどの症状が出ることも(PMS)
高温期にはプロゲステロンが、低温期にはプロゲステロンが活発に働いていることが分かります。
さらに、月経は高温期から低温期に変わる際に訪れますので、そのタイミングもしっかりと予測できるのです。
【高温期】プロゲステロン優位 / 排卵期~黄体期
【低温期】エストロゲン優位 / 月経期(生理)~卵胞期
基礎体温の計り方
基礎体温は、高温期と低温期の差でも0.3~0.5℃くらいの差しかありません。
普通の体温計では、安定的に計りにくい精緻な数値のため、専用の婦人用体温計を使用します。
婦人用体温計では、小数点以下2桁まではかることができます。
より正確な体温をはかるため、脇の下ではなく口の中の温度をはかります。
ポイントは、毎日同じ時間に計測することと、目が覚めたら起き上がらずにそのままの体勢で計測すること。
毎朝の測定は面倒にも感じますが、婦人用体温計も新しいものは数十秒で素早くはかることができるものや、アプリと連携し簡単にデータをグラフ化できるものもあります。
基礎体温から分かること
基礎体温をはかることで、女性ホルモンの動きから月経や排卵のタイミングをかなり正確に予測できるようになります。
また、数ヶ月間計測することで、高温期・低温期の推移から自分の体の変化を知ることができます。
個人差はありますが、一般的には生理後の低温期は体調や肌の調子が良く、活発的に動ける時期。
一方、排卵後の高温期は、PMSの症状も出始めて少し気分が落ち込みやすい、むくみやすくなる、などの傾向があります。
更年期の症状、出始めていませんか?
気になる更年期の症状と原因
40代から気になり始めるのは、更年期の症状。人により症状は様々ですが、こんな症状はありませんか。
・顔や体がほてる
・体が冷える
・汗をかきやすい
・息切れ、動悸、疲れやすい
・イライラする
・情緒不安定
更年期とは閉経の前後の約10年を指します。
一般的には閉経は50才前後、更年期は40代半ばから50代半ば頃と言われています。
これには女性ホルモンが大きく影響しています。
更年期になるとエストロゲンの分泌が急激に低下するため、ホルモンバランスが崩れ始めます。
それに伴い、上記のような症状が出始めるのです。
大人の女性こそ、基礎体温をつけて自分の体を知ろう
基礎体温から分かるプレ更年期
自分の体の変化を知るためにも、基礎体温をつけることをおすすめします。
更年期が近づいてホルモンバランスが崩れてくると基礎体温にも変化が見え、月経や排卵のスケジュールがずれる、低温期/高温期の期間が短くなる、などの特徴が見られます。
さらに更年期に入り閉経に近づくと、高温期と低温期ではっきり区別できていたグラフが、区別がつきにくいグラフに変化していきます。
人により様々なケースがありますが、それまでの自分の基礎体温のグラフとは異なる動きをするため、その予兆を早めに知ることができます。
早めに対策することで、安心して更年期を迎えられる
原因不明の体調の変化はとても不安になりますが、基礎体温をつけることで事前に自分の体の変化をキャッチできるようになります。
例えば、”この月だけグラフが乱れたのは何か突発的な原因かな”、”数ヶ月に前から同じ傾向が出始めているから体が変化しているのかも”、など予測がつくため、その対策もしやすくなります。
更年期の症状が重い場合には、病院で治療を受けることもできます。その際にも基礎体温のグラフは役に立つことでしょう。
まとめ
基礎体温をつけることで、更年期の予兆をキャッチするだけでなく、体調の良い時期やむくみやすい時期などを推測することができます。
体調不良だとしても自分の体のリズムが分かれば、「今はこういう時期なんだ」と不安にならず受け止められるはず。
特に更年期の症状は40代以降、徐々に変化していくものです。
グラフの変化を見るためにもまずは数ヶ月、自分の基礎体温をはかってみるといいかもしれません。
自分の体の変化に敏感になりましょう。